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夢幻遊戯
「昨日はありがとう!」
今日の天気は雨上がりの快晴で、夜中のうちに雨も上がってたみたい。玄関前で忘れ物はないかって思いながら海馬君にお礼を言った。海馬君は少しそっぽを向いて腕を組んでいた。
「早く帰ったほうがいい」
「うん!またくるね!」
海馬君は何も言わなかったけど、ボクはまた会えることを楽しみに帰った。
家に帰るとお母さんと婆ちゃんが心配のあまり駆け寄ってきた。事情を説明すると、ほっと胸を撫で下ろしてた。警察には今日電話する予定だったみたい。ボクがさっさと帰ってこなかったら大事だったかも。
「遊戯、今度遊びに行くときはちゃんといいなさいよ!お礼もしないと・・・」
「わかったぜー!」
その日は海馬君との一日の話題で盛り上がって寝てしまった。
また次の日も、その次の日も海馬君と一緒に釣りとかした。海馬君一人ぼっちだったし、ボクも海馬君と一緒に遊んでるのは楽しい。時々ふと、海馬君がどこか遠くのほうを見ているのは何故だろう。
「遊戯は」
「ん?」
一緒に遊んで何日経っただろう。
ボク達は今日は外で遊ばずに、海馬君の家で遊んでいた。偶然にも海馬君もM&Wをするっていうからさ!ボクは釣竿の代わりにカードを持ってきたんだ。デュエルしてみると、なんとボクが一回目勝っちゃって海馬君が剥きになってもう5戦目だったりする。
「女を抱いたことがあるのか?」
「!!!?」
な、なんか唐突にそっち系の話されたー!!
「な、無いよ・・・。ボク体小さいし、カッコよくないし・・・」
海馬君がそんな話をしてくるなんて思わなかったからボクはまじまじと海馬君を見てしまった。そんなことを話してるとボクと海馬君を比べてしまって、ちょっとショック。海馬君は体格いいし、顔も整ってるし、モテるんだろうなぁ。瞳も青くて綺麗だし・・・。
でも、海馬君もやっぱり高校生なんだ。ちょっと嬉しい。
「ビデオとかは見るのか?」
「まぁ・・・ね!」
「そうか」
・・・え?それだけ?普通、盛り上がらない?
「か、海馬君はどうなの?」
ボクだけ詮索されてあれだけで終わったから、つい聞き返してしまった。そういうお年頃っていうか、なんか気になるんだからしかたないっ!城之内君が持ってくるようなビデオとか見るのかな・・・とかさ!
「迫られてやったことはあるが、それだけだ」
「そ、それだけって、気持ちよかったとか・・・」
「そんなものはなかった」
ど、どんな状況だったんだろう・・・。でも、迫られたって言ってるんだから、恋人とかじゃないのかな・・・。
「か、海馬君とかキスとか上手そうだよね」
間に困ったボクはそう言った。聞きたかったわけじゃないんだけど、いきなり変える話題が思いつかなかった。カードももうそのままで放置してあって、海馬君の番だったし。
「上手いかどうかはわからんな。お前はわかるのか?」
「わかんない」
「・・・」
なんか墓穴掘った気がしてならないんだけど・・・。そんなことを考えている内に、海馬君が次のカードを出した。
一体なんだったんだろ・・・。
それから勝負はボクが勝ったけど、海馬君はもう再戦を申し込むことはなかった。喉が渇いたなぁーっと思っていると丁度海馬君が立ち上がって、ジュースを持ってきてくれた。
「ありがとう!」
「何だか雲行きが怪しくなってきたな・・・」
「え?」
窓を覗くとそういえば空が暗い。まだ4時くらいなのに。
薄暗くなっていた部屋が明かりによって照らされた。
海馬君はボクをじっと見つめる。
なに?
「傘が無い・・・だが、帰ったほうがいいかもしれん」
でも・・・。
「大丈夫だぜー!あれからここに来るときはいってあるから!」
「・・・そうか」
海馬君が視線を外した。
あれはわざとなのかな?
あんな寂しそうな顔をして見つめてくるんだ。
ああいうしかないじゃないか。
結局大雨になってしまって、前よりはひどくないけど傘とかなかったから一泊することになった。
「今日って何日だっけ?」
キッチンに男二人で立っているのは何だか違和感だ。
「20日だ」
エプロンとかしてるわけじゃないけど、ボク達は晩御飯を作ってた。
冷凍食品を温めていると消費期限を見つけたボクは久しぶりに日付が気になった。もちろん期限はまだまだ先って書いてあるんだけど。
こっちに来てからゆったりとした時間が流れてる気がして・・・うーんカレンダーとか見ることとかなかったからかな?
「20日・・・そろそろ地元に帰る日だ」
「ここじゃないのか」
「うん、ばあちゃん家にいるんだ」
ぽこぽことお湯が沸騰した。今日はロールキャベツにスープにサラダにご飯。サラダは自然解凍でご飯はチンだなんて便利~!
海馬君はスープを温めるとテーブルに並べに行った。
「ほんとは童実野町ってとこに住んでるんだよ」
「・・・」
適当に並べて夕食の出来上がり!これで何だか豪華そうに見えるんだから不思議だ。冷凍庫を見てみると大量の食料が置いてあった。一体海馬君はいつまでここにいるんだろう?
「いっただっきまーす」
ボクはお腹がすいていたからすぐに食事にした。海馬君もゆっくりと食べ始めた。テレビとか無いからとっても静か。
ボクは目の前にいる海馬君のことを考えてみる。
どうして一人でここにいるんだろう。家に居られない事情がある。どんな事情?それはわからないけど、防弾ガラスに守られてるんだから、命を狙われているのかも。だから狙ってるやつがいなくなったら戻れるのかもしれない。うん、なんかこれ、辻褄合う。仕事はパソコンで出来るみたいだし、夏休みだから学校に行かなくていいし!なんかすごい!
ボクは勝手に想像した話を勝手にそんな感じだと思い込んだ。聞いてみたらいいだけなんだけどね。
そういえば、今日は海馬君少しおかしかったなぁ~。なんであんなこといったんだろ。ああいう話したかったけど、ボクが力不足だったのかな?
夕食が終わって、またシャワーを使わせてもらった。パジャマもちゃんとあるらしい。洗濯とか海馬君してるのかな?
「海馬君ってこの時間に少しだけ仕事するんだね」
ベッドサイドにあるPCを見つめる海馬君。ちょっとかっこいいのが羨ましい。涼しげに海馬君は応えてくれた。
「あぁ、向こうが活動しだす時間だからな」
・・・向こう?向こうって海外?!
考えもしなかった返答にボクは驚いた。まさかお仕事が海外だなんて。
「も、もしかして会社おっきいの?」
「そうだな」
高校生がやってるってくらいだからもっとレベルがこう、庶民的っていうか、小さな会社だと思ってたらかなり大きそう。まぁ、命狙われてるくらいだもんね・・・。
「すごい!ボクそんな人と遊んでたんだ」
なんだかそう考えると可笑しく思える。
「友達になってくれてありがとう!」
「・・・」
海馬君は一瞬ボクを見たけど、すぐにパソコンの画面に戻ってしまった。
「遊戯」
と思ったら名前を呼ばれた。
「なに?」
手を引き寄せられて、耳元で何か言われた。
「感想を言え」
「え?」
考えてる暇もなく、ボクは不思議な感触を感じた。
こ、これってキス?!
「か、海馬くぅ・・・ん・・・」
舌が入ってくる。なになになに?あ、なぞられた。
「あぁ・・・ん・・・ん・・・はぁ・・・」
ざらざらした感触がボクの舌をなぞる。あったかくて、ボクは何だか視界が狭くなって、ボクも舌を動かした。
海馬君はそれから長い間キスをして・・・それから離してくれた。
「上手いか?」
え?え?え?
「キスだ」
そ、それをボクに聞くの?!と、友達の、しかも男のボクに!?
「って海馬君・・・ぼぼぼぼ、ボク男だよ!」
「分かっている。で、上手かったか?」
「うぅ・・・上手いかどうかって聞かれたら上手いんじゃないかな・・・ボクからしたらだけど」
「そうか・・・なら続ける」
「うぇええええ!?」
変な叫び声を塞ぐようにまたキスされた。海馬君は何を考えているの?また頭がぼーっとする・・・。
キス・・・上手だよ・・・。上手だってば・・・。
コメント
何この急展開ww
というのはですね、寝落ちしてたんで覚えてないんです←