43、大好き









「なぁ!リオンの大好きなものってなに?」
 にこにこと笑顔で尋ねるスタン。
「いきなりなんだ?」
「いいからいいから」
 その笑顔の理由が分かったリオンは、少し間を空けて言った。
「そうだな・・・、プリン」
「・・・」
「どうした?」
 さっきの表情とは一変して、スタンはぷぅーっと頬を膨らました。
「リオンのバカ!!!」

 だって、スタンは「スタン」って言ってくれると思ってたから。










「お前の愛しい人は誰だ?」
 拗ねてそっぽを向いたスタンに質問し返した。
「・・・えっと・・・」
 お返しにとばかり何か言葉を見つけるスタン。
「えーっと、だから・・・その・・・は違うだろ・・・うーん・・・、リオン」
「愛してる」
 こっそり耳元で囁かれてスタンは顔を真っ赤に染め上げた。
「お前は僕にとって愛しい人だ。大好きなものはプリンだがな」
「うん!」
 どうやら聞きたかった言葉を聞けて、満足してるようすのスタン。笑顔で擦り寄ってくるスタンに、リオンは苦笑した。
「からかいがいの無いやつだ」
「え?なんか言った?」
「もういい、さて読書の続きでもするかな」
 そう言ってもといた席に戻ろうとするリオンの後ろでなにやら不満の声が響いていた。







コメント
大人リオン&子供スタンな感じ。嫌だー(なら書くな