35、涙
※『ソーディアン』関連のお話です。詳しくは、お題『ソーディアン』でお確かめください。
いつも眩しいばかりの笑顔をみせるあいつが、今は顔を歪ませて、瞳から雫を落とした。
僕はそんなスタンに説得という悲しい言葉しかいうことはできない。
僕の・・・せいだな。
「リオン・・・」
ぐっとこらえているようだが、堪えきれない感情はまた一つの小さな雫となって地面へと吸い込まれていった。
『スタン、お前は僕にとって最高のパートナーだ』
そして、最愛のパートナーでもあるんだ。
「俺にとってもだよっ・・・!」
地面に跳ねるシミは次第に大きな円を描いていく。
『だからスタン、泣くな。たとえこの身体が消えても、お前の中で僕は行き続ける』
だが、もうお前を感じることはできない。
「分かってる・・・分かってるっ・・・でもっ」
『さっ早くしろ!お前の守りたかったものを救えるのはお前なんだ!』
説得している自分が何だか自分ではないような錯覚を感じていた。離れたくない・・・これが本音だ。醜い自分。
こんな言葉を吐いている僕を、はやく消して欲しかった。スタンの涙なんて見ていたくない。
「分かった・・・」
その言葉を聞いたとたん、自分のエゴイストぶりに反吐が出た。しかし、何もいわなかった。
これでいい。
これでいいんだ・・・。
これで・・・
スタンは大きく「僕」を掲げると、最後の言葉とともに突き立てた。
―――リオン、大好きだよ・・・そしてありがとう
その刹那、形無き雫が零れ落ちた
コメント
場面が分かる人いるのかなーといった怪しい文(コラ