30、蒼い空
「お前の瞳は本当に蒼いな」
横で本を読んでいるかと思えば、リオンはいきなり覗き込んできた。
「なんだよ」
「褒めているんだ、怒らないでくれ」
「そっか」
褒めているなら悪い気はしないけれど、そんなに覗き込まれたら照れる。
「本読んでたんじゃないの?」
「本を読もうと思ってふと、お前をみたらその蒼に吸い込まれた」
吸い込まれたって・・・意味分からない。
「お前こそいいのか?」
「え?」
「家族への手紙にインク零れてるぞ」
「ええー!」
はたと気づいてペンを動かしたが時すでに遅し。
「気づいてたなら言えよ〜!!」
「気づいたから言ってやったんだ」
「くぅ〜」
「その蒼に吸い込まれたって言っただろう」
仏頂面のままリオンは本を読み直すと、俺はもう一枚の紙を取り出した。
(はぁ・・・まぁいいか。俺もアメジストの瞳に吸い込まれたんだから・・・)
それは、スタンだけの秘密。
コメント
甘いねぇ〜。むかつくねぇ〜(ぇ