24、寝ぼすけ
今日は久しぶりの休日。
リオンはそんなたまの休みでも、いつもの時間に目が覚めてしまう。うっすらと目を開けると隣で案の定ぐっすりと眠っているスタンの横顔が視界に映る。
(先に寝てたくせに、まだ寝てる)
相変わらずと言った感じで目を細めるリオン。
(今日は休日だからそっとしとくか・・・)
そう思ってこっそりとベッドから出て行こうとすると、腕に引っ張られる感覚が。
「ん?」
ハッと振り返ってみると、リオンの腕にスタンの手が握られていた。リオンは少し間を置いてそっと引き剥がそうとしたが、なかなか取れない。
(・・・無意識に引き止めるな!)
「ディ・・ムロス・・・逃げるなぁ〜・・・」
「なっ!」
どうやら夢の中ではリオンではなく、ディムロスが登場しているらしい。リオンはその言葉にむっと来たのか、スタンの肩をつかむと思いっきり揺らした。
「スタン!!起きろ!!スタン!!!!!」
「うぅ〜・・・」
表情が苦しそうなもののさすがに起きないスタン。手ははずれたので、リオンはなんとか起こそうとフライパンとおたまを持ってこようとした。
(あれなら・・・)
「リオ・・・ン・・・じ、地震だぁ・・・」
「・・・」
今度は自分の名前が呼ばれて速攻で戻っていく。
「大丈夫だ、僕が付いてる」
「リオン・・・大丈夫・・・」
そういったかと思うと今度はかなりの力で抱きついてきた。これには少しドキドキしたリオンだったが、身動きできない状態になってしまった。
「・・・つか・ま・・てる」
どうやら落ち着いたようでこれ以降、何か行動を起こすことはなかったが、リオンは抱きつかれたままとなってしまった。
スタンが腕を緩めて目覚めたのはそれから2時間後のことで、リオンは腕がしびれるわ朝から疲れるわで休日にも関わらず、ベッドでぐったりとなっていた。
「リオン?顔色悪いよ・・・?」
「・・・大丈夫だ(誰のせいだ)」
すっかり元気なスタンはまだベッドでごろごろしているリオンを置いて、部屋を出て行った。
(トイレか・・・?)
リオンが適当に推測していると、ドアの向こうからマリアンとスタンの声が聞こえてきた。
「あら、今日はスタンさんのほうが早いのですね」
「なんか、リオンのやつまだごろごろしてるみたいです」
「珍しいわね、リオン様が寝坊だなんて」
楽しそうに会話を終えたスタンは、ドアを開けると共に怒鳴られた。
「「僕は寝坊などしていない!!!」」
「リオン、リオン!今日、夢みた!剣なのに浮遊するディムロスとか、地震が来てディムロスを地面に刺して必死につかまってる夢〜。リオンは少し離れたところで声をかけてくれてたよ。いやー怖い夢だった」
(・・・あの2時間を返せ)
コメント
このスタン、夢を良く見ます(笑)