2、仲間
リオン・マグナス。
16歳にして7将軍に勝るとも劣らない客員剣士の天才少年。
「リオンってほんとにすごいんだな」
「・・・」
セインガルドの街を少し歩いただけで、リオンの噂は瞬く間に聞こえてくる。俺たちは城から宿屋へと移動しようと歩いていたんだけど、その間にもリオンを褒める人は何人と来ただろう。
「ふんっ、くだらん」
リオンはそっけない態度でそっぽを向いた。こういうことを言われるのはあまり好きじゃないらしい。
「せっかく仲間になったんだから、ちょっとくらい相手してくれたっていいよな?」
ディムロスに視線を向けると、こっちも冷たい反応が返ってきた。
『我に話を振るな』
「ちぇ」
この際だから寝ようとした俺に、リオンがいきなり向かってきた。
「おい」
「なんだよ・・・」
「僕は名声など欲しくない。だが、それ以外の話なら聞いてやらんこともない」
そう言ったリオンの顔は下を向いて表情まで見えなかったけど、何だか俺は嬉しくて、
「わかった!」
と起き上がった。
(なんだ、そういうことか。)
新しく仲間になったリオンはちょっと気難しいけど、やっぱりいいやつだって俺は思うんだ。
(僕は何をしているんだ・・・)
『?』
『・・・』
あとがき
ディムロスは「まだ」気づいていません。笑