1、出会い











 あいつとの出会いは、
「声が高め」とか、
「腰が細い」とか、
「綺麗な金髪だ」とか、
「目が澄んだ青だ」とか、
 どうでもいいことばかり浮かんで、それでも僕の頭と体は客員剣士としての仕事をこなしていく。

「つ、強い・・・」
 僕に剣の刃を向けられたこいつの瞳は、怯えた様子も、悔しい様子もなく、ただ眩しいくらいに輝いていた。
「お前と一緒にするな」
 吐き捨てる言葉とは裏腹に、こいつから視線が離せない。

『坊ちゃん・・・?』
「・・・連行しろ」
「はっ」
『?』
「俺たちが何したって言うんだよ!ディムロスを返せー!」
 大声で騒ぎ立てる姿を見送って、ため息をついたあの頃の僕が、まさかあいつに惹かれていたなどと、僕自身今こうしていなければ考えることなどなかっただろう。

 あの出会いがなければ、僕は今こうしていただろうか。
 










あとがき
そこからだんだんキミの運命は狂って行くんだよ(何